おむすびプロジェクト

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イベントレポート

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2015.11.21 - 東京都大島町

伊豆大島でおむすび。

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今回のおむすびプロジェクトは東京から約120km南の洋上に浮かぶ伊豆諸島最大の島『伊豆大島』で、ぬか釜で炊いたご飯とともに島の恵みを味わいました。

まずは伊豆大島のご紹介です。
伊豆大島は黒潮の影響により一年を通じて温暖な気候に恵まれ、島の中央にそびえる御神火こと三原山を中心とした火山島ならではの地形からなる特徴的な景観が訪れる人々を魅了しています。地図上で見る島の位置からは想像できないくらい、ましてや、東京都とは思えないほど、自然豊かで独特な風景が広がっています。
また、2010年9月14日には世界自然遺産と並ぶ、ユネスコが支援する取り組みである日本ジオパークに認定されました。
伊豆大島は地球と生命の関わりを、楽しくわかりやすく学べる素晴らしい大自然の島なのです。
また、富士箱根伊豆国立公園に属しており、島の約97%が自然公園法によって規制されているため、自然景観と生態系が十分に保護された自然豊かな島で、全島いたるところに咲くやぶ椿はおよそ300万本とも言われ、伊豆大島を象徴する木として愛されています。
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そんな伊豆大島で、島ならではの自然の恵みを満喫しました。

伊豆大島といえば椿です。
島の人々は古くから椿を大切に利用して生活をしてきました。
例えば、畑の周りに椿を植えて防風林にしたり、種をしぼって椿油にしたり、搾りかすは肥料にしたりと椿のめぐみを余すことなく大切に利用してきました。
特に椿油は、古くは平安時代より作られ続け、日本女性の美を支えてきました。その成分の80%以上は「オレイン酸」という脂肪酸。人の肌の主成分は40%がオレイン酸といわれており、これが椿油が髪や肌によいとされる所以なのです。

会場となった大島ふるさと体験館さんでは、椿油搾り体験をみんなで体験しました。
まずは選んだ椿の種子を細かく粉砕します。
昔は臼に種子を盛り自力で粉砕作業を行っていましたが、今は粉砕機などの機械を使って行っています。大島ふるさと体験館さんではその両方を体験することができます。
粉砕作業は想像以上に力を必要とするなかなかの重労働。皆さん、交代しながら少しずつ種子を砕いていきました。
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続いて、細かく砕いた種子をふるいにかけて一定以上の大きさまで均一に細かく砕いていきます。
その後、細かくなった種子をせいろに移して約5分程蒸します。
しばらくすると椿油の香ばしい香りが立ち込めてきました。ナッツのような美味しそうな香りにみんなのお腹がなります(笑)。
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蒸し終わったら、加圧機に詰めて搾り出していきます。加圧ジャッキのレバーを必至に上下すると、やがて琥珀色した椿油が少しずつ滴り落ちてきます。ちょっぴり感動の瞬間でした。
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さぁ、この貴重な椿油を使って、伊豆大島ならではのごちそうをつくっていきますよ!会場を屋外に移して、ここからは島の方も合流してのごちそうづくりです!
当日はご覧のとおり雲ひとつない快晴!ポカポカ陽気で気分も盛り上がります♪スタッフも俄然やる気モードです!はい、なんでもやりますよー!!
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いよいよ、ぬか釜炊き開始です!はじめて見るぬか釜にこども達はもちろん、大人も興味津々。
今回のお米は合鴨農法で育てた八王子の澤井農場さんの「合鴨ふれあい米(新米)」を利用しました。
実は伊豆大島はお米が採れない土地柄なのです。
そこで、伊豆大島も東京都ということで、東京都産のものをチョイスしました。
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溶岩の重しをして、しばし炊き上がるのを待ちます。
さて、おむすびといえば、塩を振ってにぎりますよね。伊豆大島では綺麗な海水と太陽と風の力を使って昔ながらの製法で塩をつくっています。海の結晶ともいえる美味しい塩でにぎるおむすびはきっと格別でしょう。
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ご飯が炊きあがるまでの間、島の食材を使ったお料理を作ります。
まずは、明日葉。明日葉は伊豆諸島原産のセリ科の多年草植物。
「今日摘んでも明日にはもう芽がでてくる」と言われるほど、生命力の強い植物で、火山島である伊豆大島は一年を通して温暖で雨が多いため、大地は多くの水を得ることができ、明日葉にとって最適な環境なのです。大島ふるさと体験館さんは明日葉農家さんでもあります。今回は敷地内の明日葉畑から採れたての明日葉を使いました。
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そんな明日葉と、伊豆大島の南端の海域に仕掛けた定置網にかかった新鮮なごま鯖を飽和蒸気調理器で骨まで食べられる状態に調理した伊豆大島漁業協同組合加工部が作るごま鯖フィレを使って、明日葉とごま鯖の和え物を作りました。みんなで魚を丁寧にほぐして明日葉と混ぜ合わせていきます。
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はい、上手にできましたー!新鮮な明日葉とごま鯖、栄養も豊富で元気が出る一品の完成です!
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続いて、大島には『べっこう』という郷土料理があります。これは、青唐辛子醤油に漬けた旬の魚の切身がつややかなべっ甲色になる為そのように名づけられました。この料理が生まれた背景には離島という厳しい環境の中、少しでも長く鮮度を保ち、そして美味しく頂けるようにと、先人たちが工夫して考え出してきた経緯があります。
ぬか釜で炊いたご飯に最高に合う料理のひとつになりました。
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火山島では土壌の性質上、根菜類が良く育ちます。中でもサツマイモはよく作られています。サツマイモといえば天ぷらが最高!今回は紅はるかと安納芋を天ぷらにしました。天ぷらにはもちろん椿油が使われています!揚げ油に2割から3割椿油を入れることでサックサクで風味豊かに仕上がるのです。
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どんどん料理が並べられていく中、お待ちかねのご飯も炊きあがりました。ふっくら輝くお米は間違いなく、美味しそうです!
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あたたかいお米をにぎっていると、とっても幸せな気分になってきます♪
おむすびは人の心をつなぐ最良のツールなのかも!
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サツマイモの天ぷらのほかにも、サトイモや山芋、ピーマンやパプリカの天ぷらに混ざって、こども達が敷地内で見つけたむかごを塩で炒ったものも。そして、地魚のアラで出汁をとったアラ汁等、盛り沢山のメニューが並びました。
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みんな並んで順番に取り分けていきます。
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ぬか釜で炊いたご飯、地元の新鮮で安心な食材で作ったお料理、青空の下、みんなで食べます!
これ以上ない贅沢なランチとなりました!
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最後はみんなで記念撮影。
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たくさんの方と出会えたこと、出会ったみんなと一緒に食べた最高の食事、出会いに感謝です!
皆さん、ありがとうございました!また島で会いましょう!!

(NPO法人kichi代表 千葉れみ)
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NPO法人kichi スタッフ
千葉 れみ
千葉 努

株式会社ごはんとおとも スタッフ
橋本 英治
詫摩 友彦

photo by 千葉 努 津崎 流野

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